「時間がない」は思い込みかもしれない|激務会社員が可処分時間を見直す方法
「時間がなくて、副業なんて無理」
「妻とゆっくり過ごしたいけど、そんな余裕はない」
もしこの言葉が口ぐせになっているなら、少しだけ読み進めてみてください。かつての僕がまさにそうでした。毎日終電、休日も頭のどこかは仕事のことでいっぱい。気づけば妻と会話らしい会話もしていない。「時間がない」は、僕にとって動かしようのない事実でした。
でも、自分の1日を紙に書き出したとき、その”事実”は半分が思い込みだったと気づきました。
結論から言えば、時間は「ない」のではなく「見えていない」だけです。
この記事では、可処分時間を可視化する具体的な手順と、忙しい会社員が使える時間を見つけ直すための考え方をお伝えします。読み終わるころには、「時間がない」という漠然とした言葉が、「この15分をどう使うか」という具体的な問いに変わっているはずです。
「時間がない」は事実か、それとも口ぐせか
前提として、激務な会社員に自由な時間が少ないのは事実です。ここを否定するつもりはありません。労働時間が長ければ、使える時間が削られるのは当たり前です。
ただ、一度立ち止まって考えたいことがあります。
「時間がない」と「時間の使い方が見えていない」は、まったく別物だということです。
僕は長いあいだ、この2つを混同していました。「忙しい=1分の余白もない」と思い込んでいたのです。ところが実際に時間を書き出してみると、完全に埋まっているのは仕事と睡眠だけ。その隙間には、想像以上の”すきま”が残っていました。
「時間がない」が便利な言い訳になる理由
「時間がない」という言葉には、3つの側面があります。
- 思考を止められる:そう言ってしまえば、それ以上考えなくて済む。誰にも責められない万能の理由になる
- 現状を肯定できる:変わらない自分を、環境のせいにできる
- 本当は優先順位の問題:多くの場合「時間がない」の正体は「それを最優先にしていない」だけ
3つ目が、僕にとっていちばん痛い指摘でした。人は本当に大切なことには時間を作ります。歯磨きを「時間がないから」と省く人はいません。つまり、時間がないのではなく、優先順位が決まっていないだけのことが多いのです。
とはいえ、精神論で終わらせても何も変わりません。まずは事実を数字で確認するところから始めましょう。
STEP1:1日の可処分時間を可視化する
可処分時間とは、仕事・睡眠・食事・入浴といった「生活に絶対必要な時間」を差し引いた、自分の裁量で使える時間のことです。お金でいえば「手取り」にあたります。
家計を把握していない人が貯金できないのと同じで、時間の手取りを知らない人は、時間を作れません。
まずは平日を書き出してみる
ざっくりで構いません。僕の当時の平日は、こんな状態でした。
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| 睡眠 | 6.0時間 |
| 仕事(拘束時間) | 11.0時間 |
| 通勤(往復) | 1.5時間 |
| 食事・入浴・身支度 | 2.0時間 |
| 必要時間の合計 | 20.5時間 |
| 可処分時間(24時間−20.5時間) | 3.5時間 |
「たった3.5時間か」と思うかもしれません。でも見方を変えれば、毎日3.5時間、自分の裁量で動かせる時間があったということです。当時の僕は、これを丸ごと「ない」と切り捨てていました。
休日も同じように計算する
平日だけで判断すると悲観的になりがちです。休日も出してみてください。仮に土日で合計8時間の可処分時間があれば、平日3.5時間×5日+休日8時間=週25.5時間。1週間で丸1日分以上の時間が、あなたの手元にあることになります。
大切なのは、感覚ではなく数字で見ること。可視化した瞬間、「時間がない」という漠然とした思い込みは、「週25時間をどう配分するか」という具体的な問いに変わります。
STEP2:無意識に消えている時間を特定する
では、その3.5時間はどこへ消えていたのか。1日だけタイムログ(何に何分使ったかの記録)をつけてみて、僕は愕然としました。
僕の場合、代表的な”時間のブラックホール”はこの3つです。
| 消えていた時間 | 1日あたり | 内容 |
|---|---|---|
| なんとなくのスマホ | 約60分 | 帰宅後にソファでSNSとニュースアプリを往復 |
| ダラダラした動画視聴 | 約40分 | 見たい番組ではなく「おすすめ」の流し見 |
| 切り替えの遅さ | 約30分 | 帰宅後「さあ何かするか」となるまでのぼんやり時間 |
| 合計 | 約130分 |
合計すると1日2時間以上。しかもこれらは「休息」に見えて、終わったあとに満足感がほとんど残らない時間でした。休んだ感覚がないのに、時間だけが消えている。これが一番もったいない状態です。
誤解しないでほしいのは、ここを丸ごとゼロにする必要はないということ。疲れた日にぼんやりする時間は必要です。ただ、このうち30分だけを意図的に使えれば、それは立派に「生み出した時間」になります。
タイムログのつけ方(1日だけでOK)
- スマホのメモアプリに、行動が変わるたび「時刻+やったこと」を1行だけ書く
- 完璧に記録しようとしない。抜けても気にしない
- 夜、寝る前に眺めて「思ったより使っていた場所」に印をつける
たった1日で十分です。自分の時間がどこへ消えているかを一度でも直視すると、その後の行動が変わります。
STEP3:15分単位で時間を捉え直す
時間を書き出して気づいたもう一つの思い込みが、「まとまった2時間がないと、何もできない」というものでした。
これが最大の敵でした。まとまった2時間は、激務の会社員にはほとんど訪れません。だから「時間ができたらやろう」と考えている限り、永遠に何も始まらないのです。
でも実際には、15分あればできることは驚くほど多いのです。
- 15分あれば:ブログのネタを1つメモできる/本を数ページ読める
- 15分あれば:翌日のタスクを整理できる/短い下書きを1本書ける
- 15分あれば:妻と今日あったことを話せる
「15分×14コマ」で1日を捉える
可処分時間3.5時間は、15分に区切ると14コマです。
1日を「3.5時間の塊」ではなく「14コマの持ち時間」と考えてみてください。すると発想が変わります。
- 14コマ全部を未来のために使う必要はない
- 10コマは休息やリラックスに使っていい
- 残り2〜4コマだけを、未来のために配る
僕がブログを始められたのも、この「コマ」の発想に切り替えたからでした。「2時間の確保」は無理でも、「2コマの確保」ならできる。ハードルの高さがまったく違います。
(※隙間時間の具体的な使い分けは、カテゴリ「忙しくても続く時間術」で順次詳しく解説していきます)
妻との時間を削らずに、自分の時間を作る3つの工夫
ここが既婚者にとって一番大事なところです。副業のために夫婦の時間を削るのでは、本末転倒だからです。
僕が実際にやって効果があったのは、次の3つでした。
1. 妻が使っている時間に合わせる
妻がドラマを見ている時間、友人と電話している時間、先に入浴している時間。相手がもともと一人で過ごしている時間帯を自分の作業時間に充てれば、夫婦の時間は1分も減りません。まずは相手の1週間の生活リズムを観察してみてください。
2. 「消えていた時間」から先に充てる
新しい時間を捻出しようとせず、STEP2で見つけた”満足感の薄い時間”から充当します。削るのはスマホの1時間であって、妻との会話ではない。この順番を守るだけで、罪悪感がぐっと減ります。
3. やっていることを、隠さず共有する
これが意外なほど効きます。黙って夜中にPCに向かっていると、相手からは「何かに夢中で自分を見ていない」と映ります。「将来もう少し一緒に過ごせるように、こういうことを始めてみた」と先に共有しておくだけで、同じ行動でも受け取られ方がまったく変わります。
よくある質問
Q. 可処分時間が1時間しかありません。それでも意味はありますか?
A. あります。1時間は15分×4コマです。そのうち1コマを毎日積み上げれば、1か月で約7.5時間。半年では45時間になります。問題は量よりも、途切れることです。
Q. タイムログをつけるのが面倒で続きません。
A. 続ける必要はありません。目的は習慣化ではなく「現状把握」です。1日だけ、それも大まかな記録で十分な効果があります。
Q. 平日はどうしても無理です。休日にまとめてやるのはダメですか?
A. ダメではありませんが、休日だけに頼ると、予定が入った週にゼロになります。平日15分+休日まとめての組み合わせが、いちばん途切れにくい形です。
Q. 時間を作っても、疲れて頭が動きません。
A. 頭を使う作業を夜に持ってこないことです。夜は「ネタをメモする」「明日の構成を1行書く」など判断のいらない作業に。考える作業は、通勤中や朝の10分に回すとうまくいきます。
まとめ:時間は「ない」のではなく「見えていない」
この記事でお伝えしたかったことは、シンプルに一つです。
時間は「ない」のではなく、「見えていない」だけかもしれない。
- 「時間がない」と「使い方が見えていない」は別物である
- 可処分時間を数字にすると、漠然とした不安が具体的な問いに変わる
- 無意識に消えている時間は、1日2時間以上あることも珍しくない
- 1日を「15分×14コマ」で捉え直せば、激務でも使えるコマは見つかる
- 削るのは”満足感の薄い時間”であって、妻との時間ではない
もちろん、激務そのものを変えるのは簡単ではありません。でも、自分の時間を正しく把握することは、今日この瞬間からできます。まずは今夜、平日1日分の可処分時間を紙に書き出してみてください。それが、妻との時間や新しい挑戦への確実な第一歩になります。
僕はこの気づきをきっかけに、「妻との時間を取り戻す手段」としてブログを選びました。なぜ数ある選択肢の中でブログだったのか。その理由は、次の記事でお話しします。